ProMED-mail 情報: 4月 2008
○マラリア-アフリカ:低品質および偽薬
○クリミアコンゴ出血熱-トルコ
○狂犬病、イヌ-英国(02)、制限解除
○炭疽、ヒト、ウシ-ペルー
○コレラ、下痢症、赤痢 最新状況2008(25)
ミャンマー、イラク、インド、ジンバブエ
タンザニア、ナミビア、アンゴラ、米国
○ボツリヌス中毒-ロシア
○アフラトキシン、ウマのエサ-米国、回収
○ムンプス、学生-英国
○チクングニア(18):シンガポール インドネシアから、インド
○手足口病-アジア(05):中国
○仮性狂犬病Pseudorabies、ブタ-米国
●C#マラリア-アフリカ:低品質または偽薬 Archive Number 20080508.1566
サンプルの35%が検査で不合格となった。治療の33%はartemisinin monotherapies(アルテミシン単剤)によって行なわれていた。
情報源:Public Library of Science (PLoS)、5月7日。
[Reference: Bate R, Coticelli P, Tren R, Attaran A (2008): Antimalarial Drug Quality in the Most Severely Malarious Parts of Africa -- A Six Country Study. PLoS ONE 3(5): e2132 doi:10.1371/journal.pone.0002132]
多様な抗マラリア薬が、マラリアの高度侵淫地域であるアフリカ6カ国の主要都市および周辺地域で、私営製薬企業により生産されている。半定量薄層クロマトグラフィー Semi-quantitative thin-layer chromatography (TLC)および溶解検査により、有効成分が国際基準を満たしているかについて評価した。サンプルの35%が一方または両方の検査で不合格となった。さらに、治療の33%はartemisinin monotherapies(アルテミシン単独療法)によって行なわれており、その大部分(78%)は、臨床的に不適切なこれらの薬剤を、市場から一掃するとのWHOが提唱に反して製造されていた。基準以下の薬剤が高い比率で蔓延り、私企業で不適切なアルテミシン単剤が製造されていることは、患者の安全を脅かし、薬剤耐性を生じることによって、将来のマラリア治療の世界的危機を招く。
[Mod.EP注-基準以下の、あるいは故意に製造された偽薬は、アフリカやアジアで良く知られている問題である。コントロールが不十分であったり、薬剤師その他の医療関係者との相談なく売られるover-the-counter saleが拡がることが、対策を困難なものにしている。偽薬や低品質薬によって、実際にはその薬剤が有効な地域で、formulationが基準以下であったり、有効成分が含まれていないために、薬剤耐性が疑われてしまう可能性もある。]
◎C#クリミアコンゴ出血熱-トルコ 20080508.1567
新たに3人がクリミアコンゴ出血熱CCHFにより死亡し、1週間の死者は5人となった。
情報源:Turkish Daily News 、5月7日。
2008年5月5日、新たに3人がクリミアコンゴ出血熱CCHFにより死亡し、1週間の死者は5人となった。Samsun県において、2人がCCHFにより死亡し、ほかに4人の同様の症状を示す患者が治療中である。57歳の男性1名は、3週間前にダニの刺咬を受け、アンカラAnakraの病院で死亡した。男性の家族の話では、Kirecoca村(Corum province)にある自宅の庭で、ダニの刺咬を受けた数日後に病院へ運んだと言う。中央部アナトリア地方シバスSivas市で、6人の小児がCCHFの疑いで監視されている。..以下、CCHDおよび対策についての解説など。
[Mod.CP注-CCHFは、3分節のゲノムを持つ1本鎖RNAウイルスで、genus _Nairovirus_ of the family _Bunyaviridae_(ブンヤウイルス科ナイロウイルス属)に分類されている。CCHFウイルスはダニ刺咬により直接ヒトに感染伝播したり、病院内の院内感染や家畜の処理の際に血液を介して感染したりする。まれな、未殺菌のミルクを介する感染もある。ダニからの感染伝播による症例は、通常散発性で、集団発生は、動物(おもに、動物自身は無症状であるヒツジ)の処分に関係する、血液を介する感染伝播があったことを示唆する。]
地図 the provinces of Turkey
どのように私はボーアヤギを上げない
○Ea#狂犬病、イヌ-英国(02):イングランド、制限解除 20080508.1570
South East Englandで検疫中の狂犬病症例:検疫保護施設の検疫が解かれた
情報源:DEFRA Information Bulletin, ref 130/08 、5月7日。
Defra (UK Department for Environment, Food and Rural Affairs、英国・環境食糧農林省)およびHealth Protection Agency健康保護局は、スリランカから持ち込まれ、英国の検疫施設に係留中の1頭のイヌが、2008年4月25日に狂犬病であることが確認されたことをうけ、徹底的な調査を行なってきた。調査は完了し、この結果をうけ、25日にこの検疫施設に課せられていた制限を解除し、狂犬病で死亡したスリランカからのイヌの到着後に、検疫期間終了により同施設から出た4頭のイヌの予防的隔離も解除された。感染犬と接触のあった、動物やヒトの全追跡調査も無事終了した。...ハイリスクとされた4頭のイヌは安楽死させられ、いずれも処分時に感染性の狂犬病ではなかったことが確認された。..
[Mod.AS注-読者らは、本症例が、「野良犬を救おう」という慈善団体によってスリランカから英国に連れてこられた、生後8週の子犬によるものであ ったことを記憶されているだろう。ProMED-mailでは、都市部に狂犬病が蔓延する国で捕獲された野良犬を、狂犬病排除国へ移送させる許可を与えることに、疑問を抱く。スリランカ国内の設備の整った動物保護施設に出資(資金援助)することを検討すべきである。そうすればもっと多くの動物を、長距離移動のストレスなく、ヒトや他の動物にも重大なリスクを与えずに救うことができる]
●C#炭疽、ヒト、ウシ-ペルー(リマ、ピウラ) 20080508.1571
[1] リマLima
3例の皮膚炭疽感染が確認された
情報源:Epidemiological Bulletin (Lima) 2008; 17(16); 229-230 [in Spanish]、5月8日。
現状:2008年4月23日、Lima District Health Unit (DIRESA)に、Caudevilla locality(Supe District)で発生した、3例の皮膚炭疽感染が確認されたとの報告が届いた。
詳細:症例1 食肉処理場で働く29歳の男性の前腕の潰瘍性壊死性病変から、_Bacillus anthracis_感染に合致するグラム陽性鏡検結果 症例2 26歳女性、左手第2指のulceronecrotic skin lesion(症例1.2の2人はともに、ウシの処分を行っていた) 症例3 9歳女児、手背の病変、同じウシの処分時に内蔵の洗浄をおこなった
以下、対策など
[2] ピウラPiura: 疑いsuspected
炭疽感染可能性症例1例が報告された
情報源:Epidemiological Bulletin (Lima) 2008; 17(16); 229-230 [in Spanish]、5月8日。
現状:2008年4月18日、Piura市(district and province of Piura)で炭疽感染可能性症例1例が報告された 詳細:患者は16歳の少年で、肉屋からピウラ市の別の店に肉を運んでいる 病変は上記URLで確認できる..対策など
[Mod.MHJ注-ピウラでは、最後にヒトでの症例が確認されたのは1980年代前半であるが、2004年と2005年に家畜での感染が発生している。訳に不備な点があるので、興味のある方は原文を参照されたい。紙背に照らせば、2つの報告のいずれにも登場する、非合法の食肉処理が、定常的な獣医衛生学上の問題になっているものと思われる。]
地図 Piura,Peru北西部
●C#コレラ-ミャンマー(イラワジ地区) 20080508.1572
ビルマのイラワジIrrawaddy川デルタの2つの地方(Bogalay and Laputta)で、コレラ感染流行が発生した。
情報源:The First Post、5月8日。
数十万人のサイクロンによる被災者が、苛酷な環境で水や食糧のない状態となっている、ビルマのイラワジIrrawaddy川デルタの2つの地方で、コレラ感染流行が発生した。この地域の2つの大きな町であるBogalayとLaputtaの医師らは、すでに数え切れない人々がコレラ感染で死亡したと語った。住民らは川からの水を飲料水としている。イラワジ川には、死体や動物の死骸で埋め尽くされている。Bogalay and Laputtaだけで7万人が死亡したとの、匿名の軍関係者の証言もある。...
地図 Myanmar:Irrawaddy delta(spelled Ayewarwaddy)
●C#下痢症-イラク(スレイマニア) 20080508.1572
イラク北部で下痢と嘔吐のために病院を受診するヒトの数が増加している
情報源:Middle East Online、5月3日。
イラク北部で下痢と嘔吐のために病院を受診するヒトの数が増加しており、コレラ感染流行が懸念されている。2008年4月、スレイマニアSulaimaniyahの基幹病院には、コレラに似たこのような症状の患者が1日平均25人の訪れている。(コレラ感染が)確定された患者は今のところいない。...これまでのイラクの状況など。
地図 Iraq:the city and governorate of Sulaimaniyah
フィリピンのトップ10の自動車産業
●C#下痢症-インド(カルナタカ) 20080508.1572
およそ35人の胃腸炎感染流行による患者が、Metagalli(KRS Road)の感染症病院に入院中である
情報源:Star of Mysore、4月29日。
およそ35人の胃腸炎感染流行による患者が、Metagalli(KRS Road)の感染症病院に入院中である。2008年4月26日から入院患者が発生し始め、28日にその数は増加している。患者らは嘔吐と下痢を訴えている。多くは、B.M. Srinagar, Kumbarakoppal and Palahalliからの患者である。...
地図 Karnataka:India南部 [1973年までState of Mysoreと呼ばれていた]. 州都はバンガロールBangalore
●C#コレラ-ジンバブエ(Mashonaland Central) 20080508.1572
北部のリゾート地であるKariba村で、コレラ感染により、数週間に幼い子供を含む5人が死亡した
情報源:Afriquenligne 、5月8日。
ジンバブエ政府衛生当局は、2008年5月8日、北部のリゾート地であるKariba村で、コレラ感染により、数週間に幼い子供を含む5人が死亡したことを明らかにした。現地当局者は、町の2つの地区に集中しており、医師らは、付近の湖からの汚染された魚類の摂食によるものと見ていると述べた。2008年にコレラ感染が流行したのは、これで2回目となる。「コレラ菌に汚染されたraw crocodile affluentを食べた魚類を食べ、人々はコレラ菌に感染したと見ている」と説明された。2008年、ジンバブエから、コレラ感染による複数の死亡が報告されており、薬剤の不足も問題を深刻化させている。
地図 Kariba(Mashonaland Central) Zambiaとの国境地域
●C#コレラ-タンザニア(ダルエスサラーム) 20080508.1572
ダルエスサラームDar es Salaamでは、深刻なコレラ感染流行が発生している
情報源:AllAfrica & The Citizen (Dar es Salaam) 、5月6日。
およそ400万人が住む、上下水道が不十分なダルエスサラームDar es Salaamでは、深刻なコレラ感染流行が発生していると、2008年5月5日に政府当局が発表した。Temeke および Ilalaでの被害が最も深刻となっていると報告された。死者はいまのところ出ていない。3日、Chang'ombe, Yombo Vituka and Miburani surburbs(in Temeke district)からの8人の患者が入院治療中となっている。
地図 Dar es Salaam,:Tanzania東部, インド洋沿岸地域
●C#コレラ-ナミビア(クネネ) 20080508.1572
Kunene Regionでは2008年初から2168人のコレラ感染患者が報告されている。
情報源:AllAfrica & New Era (Windhoek)、4月30日。
Opuwoの北およそ120kmのOkangwati(Epupa constituency)の初発以降、Kunene Regionでは2008年初から2168人のコレラ感染患者が報告されている。51人が入院中であるが、検査で確定されたのは5例のみである。およそ13人の死亡が、コレラ感染によるものと疑われている。ほかに症状がはっきりしない2例の疑い症例がある。...
地図 Kunene:Namibia北西部の端, Ohangwenaの西
●C#コレラ-アンゴラ(ウイラ) 20080508.1572
Chibia および Lubango地区において、週末に少なくとも12人のコレラ感染患者が報告された。
情報源:Angola Press 、4月28日。
南部ウイラHuila州の衛生当局により、Chibia および Lubango地区において、週末に少なくとも12人のコレラ感染患者が報告された。2008年4月28日、公衆衛生の当局者は、Lubango districtで9例、 Chibia地区で3例発生したと述べた。同時期に11人が退院し、ほか26人が現在も治療中である。
地図 Huila
●C#赤痢-米国(ニューヨーク) 20080508.1572
ユダヤ教徒Orthodox Jewishが住む2つの地域で、2008年に150人以上の赤痢患者が発生し、半数以上は幼小児である。
情報源:New York City Department of Health、5月2日。
2008年5月2日、Brooklynのthe Borough Park and Williamsburg communitiesの、正統派ユダヤ教徒Orthodox Jewishの住民らに、腸管感染症である赤痢の感染流行が発生中であることを通知した。2008年のこれまでに、この2つの地域で150人以上の赤痢患者が発生し、半数以上は幼小児である。最も被害が大きいのは、zip code 11219 [in Borough Park]の地域で、60人が感染した。..赤痢は、保育所や幼稚園では、容易に感染が拡大する。保護者や教師らは、子供たちの手洗いを徹底させるよう注意が必要である。非常に少ない赤痢菌_Shigella_ bacteriaでも感染が起こる。...近年、赤痢の大規模な流行が、Borough Park, Williamsburg、その他のNew York州, New Jersey, Illinois, Maryland and Canadaの、ユダヤ人社会(traditionally observant Jewish communities)で発生している。2006年、ニューヨーク市で約274人の赤痢感染が報告され、人口10万対比3.4例となっている。
地図 Brooklynは、New York Cityに5つあるboroughs(区)の1つ;the Bronxが主島にあり、Staten Island と Manhattanは各々の名前の島にあって、Brooklyn と QueensはLong Islandの西側に位置する
どのように私は、メスシリンダーを作成できますか?
●C#ボツリヌス中毒-ロシア(サマラSamara) 20080508.1573
自家製のマッシュルームまたは魚類(食品)の摂取による、2件のボツリヌス中毒が報告されている。
情報源:IA Regnum [trans]、4月30日。
Tolyatti Municipalityの広報によると、2008年第1四半期に2件のボツリヌス中毒が報告されている。いずれも、自家製のマッシュルームまたは魚類 (食品)の摂取によるものであった。2007年には、5件、7人のボツリヌス中毒が報告されている。このうち4件の感染源が、自家製の魚類の缶詰で、3件 が自家製の魚類の干物であった。
[Mod.NP注-ボツリヌス中毒に関しては、ロシア各地からたびたび報告されている。2008年4月には、Moscow, Rostov oblast, Buryatiaにおける集団発生の報告があった。おそらく、症例のすべてがインターネット上で入手できるわけではないと思われる。寒い時期が過ぎ、前年 からの貯蔵食品を使用し始めるだろう。ロシアから、ボツリヌス中毒に関する報告が多数寄せられてはいるが、WHOによると、最もボツリヌス中毒が多く発生 しているのは、グルジアである。2006年中に、グルジアで40件のボツリヌス中毒が発生した。]
地図 Samara
●Ea#アフラトキシン、ウマの飼料-米国(各州)、回収 20080508.1574
高濃度のアフラトキシンAflatoxinが含有されている疑いがある、ウマの飼料の商品回収を発表した。
情報源:The Horse.com, Article 11810、5月5日。
Land O'Lakes Purina Feed LLC社は、3つの東海岸にある工場で生産されたウマの飼料の商品回収を発表した。高濃度のアフラトキシンAflatoxinが含有されている疑いがあ る。アフラトキシンは、マイコトキシンの1種で、真菌アスペルギルス_Aspergillus_ spp.が産生する、二次代謝物である。..
商品の詳細など...原文参照願います。
●C#ムンプス、学生-英国(ロンドン) 20080508.1575
Kingston University の学生らの間で、4月に20人のムンプス感染が疑われる患者が報告され、ワクチン接種が勧告されている。
情報源:Your Local Guardian online、5月6日。
Kingston University [London, UK]の学生らは、2008年4月に20人のムンプス感染が疑われる患者が報告されたことを受け、今週、緊急の予防接種クリニックを受診するよう勧告されている。すでに5人の学生は、この非常に感染力の強いウイルスに感染していたとの診断を受けている。感染により、首と顔が腫れ、発熱、耳痛があり、重症例では聴覚障害や腹部の激痛をきたすこともある。12歳以上の男性では、厚顔炎を起こすこともあり、まれに不妊となる。学内でさらに患者が増える可能性があり、2005年の再来と恐れられている。当時548人の教員と学生が接種を受けた。....以下、原文参照願います。
[Mod.CP注-患者の大半は、何らかの理由で、小児期に、完全な免疫賦与に必要な2回のMMRワクチンを、1回のみ、または全く受けていなかった可能性が高い。]
地図 Kings ton-on-Thames:the site of Kingston University London, London中心部わずか南西
●C#チクングニア-シンガポール、インドネシアからの輸入 20080508.1576
国内17例目の蚊族媒介性のチクングニア感染患者を確認した。13例の自国内感染例が発生し、一方、4例が海外で同ウイルスに感染している。
情報源:China View、5月8日。
シンガポール保健省は、2008年5月3日、国内17例目の蚊族媒介性のチクングニア感染患者を確認した。同省は、この最新の患者は男性で、海外でチクングニアに感染したことが疑われた、新たな4人の患者のうちの1人であることを明らかにした。この男性は、1ヶ月前に、ジャカルタJakartaのJagorawi Golf and Country Club で、ゴルフのプレーした際に、チクングニアウイルスに感染したものと見られている。現在、感染力のある時期は過ぎている。2008年1月14日に、初めての国内での感染伝播症例が確認されて以来、これまでに13例の自国内感染例が発生し、一方、4例が海外で同ウイルスに感染している。チクングニアウイルスはシンガポール国内に侵入している可能性があり、(国内に)ヤブカ属_Aedes_が存在することから、現在も感染流行の恐れがあると、広報担当者が述べた。デング熱ウイルス同様、チクングニアウイルスもヤブカ属の蚊族により伝播される。現在、発熱、関節痛、悪寒、嘔気を特徴とする、 チクングニア熱に対するワクチンはない。チクングニア熱回避のための最良の方法は、建物周囲の蚊族繁殖場所の撤去と、蚊族の刺咬からみを守ることである。
[Mod.TY注-節足動物が媒介するウイルスが、感染してウイルス血症となったヒトによって、いかにして素早くある地域から他の地域へ伝播されるかを示す一例である。行き先に伝播能力のあるベクターが存在する場合、感染流行開始のリスクは現実的となる。最も劇的な長距離間移動の例は、2007年、感染したインドからの個人旅行者によって持ち込まれたことにより、イタリアで発生したチクングニア感染流行である(20071210.3980)。]
地図 Singapore and Indonesia
●C#チクングニア-インド(ケララ州) 20080508.1576
およそ130人のチクングニア感染疑い患者が報告されている
情報源:Thaindian News、5月8日。
ケララKerala州Kasargod地区Panathadi村から、2008年5月8日、チクングニア感染が疑われる流行が報告された。カルナタカKarnataka州との境界にある村である。地区衛生当局者は、およそ130人のチクングニア感染疑い患者が報告されていると述べた。発熱と関節痛を訴えており、Alleppey (in Kerala)のウイルス研究所に血液検体を送付したと説明した。2007年、ケララ州南部でチクングニア感染流行が発生している。チクングニアはヤブカ属・蚊族によって伝播される。
地図 India
●05-08(0509-0100)#C#手足口病-中国、アジア(05) 20080508.1577
[1]5月8日現在、中国国内で30人の死亡が発生している
情報源:China View, Xinhua News Agency、5月8日。
感染症である手足口病hand, foot and mouth disease (HFMD)により、2008年5月8日現在、中国国内で30人の死亡が発生していることが、各省衛生当局からの確定死亡報告に基づく統計から判った。手足口病の原因であるenterovirus 71 (EV71)の感染により、海南省Hainan Provinceで2人の小児が死亡したと、8日に省当局が発表した。死亡した日時は明らかにされていない。同省衛視衛陶局による最新の数字によると、8日までに180例のHFMD患者が報告されおり、このうち5例でEV71ウイルスの感染が確認されている。7日、中央部湖南省Hunanおよび南東部広西荘族自治区でも、同地域初で、各1例のみの死亡が報告されている。
[2]21502例のHFMD感染患者を報告し、30例が死亡している。
情報源:China View, Xinhua News Agency、5月8日。
中国政府は、208年のこれまでに、21502例のHFMD感染患者を報告し、30例が死亡している。7日には、19962例であった。数位の増加は、事態の悪化を示すものではなく、衛生省がHFMDを届け出義務のある、クラスC感染症としたことによるものである。東部山東省Shandong Provinceは、8日、1440例のHFMD患者を報告した。最南端の海南省では、感染者数を180人に更新し、北西部青海省Qinghai Provinceも8日、10例に更新した。山東省衛生当局は、grassroots hospitals(地方病院)に対し、5歳以下の発熱患者は、より良好な治療が受けられるよう、ただちに大規模な病院へ転送するよう通達を出した。これまで、感染流行により死亡した30人の死因の多くが、EV71とされている。すべての犠牲者のうち、22人は安徽省、3人は広東省、2人は海南省、残りは、浙江省、広西荘族自治区、湖南省で発生した。
[ModCP注-中国国内でのHFMD感染流行は拡大が続いており、死者の数は30人となった。しかし、現在感染が発生している20省のうち、死者の報告があったのは6省のみであり、そのうち22人は、安徽省の1つの都市で発生した。]
地図 China
◎Ea#仮性狂犬病 Pseudorabies、ブタ-米国(ミシガンMI州) 20080508.1578
19頭のsport swineを所有する農場で、仮性狂犬病の感染流行が発生している
情報源:The Chicago Tribune 、5月7日。
Saginaw Countyの私有のgame ranch(牧場)で、感染力の強いブタのウイルスが確認された。19頭のsport swineを所有する農場で、仮性狂犬病の感染流行が発生していることが、検査機関で確認された。Pseudorabies (PRV)は、生まれたばかりの子ブタを死亡させる、非常に感染力の強いウイルス性疾患である。まれに、ネコやイヌが突然死することがある。ウシ、ヒツジ、シカにも感染することがあるが、ヒトに感染することはない。狂犬病とは無関係である。...以下、長文。
[ModTG注-Pseudorabiesは、主にブタなどの家畜や野生動物にも感染することのある、世界中に存在する、急性で致死性になることの多い疾患である。pseudorabies virus が、米国で重要な病原体として登場したのは1960年代のことであり、屋内でブタを飼育することが増えたためか、あるいは強毒性の株が新興したことが主な原因と考えられる。狂犬病類似の症状が見られることから、 "mad itch" とも呼ばれる。米国では、届け出義務のある疾患であり、ほとんどの地域で排除されている。ミシガン州は、USDAの基準により、数年以上前から清浄化されていた。1902年にハンガリーで初めてウシやイヌの病気として確認され、間もなく、ブタがウイルスの自然宿主であると同時に、死亡することもあることが判ってきた。発見者の名にちなんで、Aujesky's diseaseとも呼ばれている。Pseudorabies virus は、DNAヘルペスウイルスである。ブタが唯一の自然宿主であるにも関わらず、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ヤギ、そしてアライグマ、オポッサム、スカンク、齧歯類などの野生動物にも感染する。実験的には、rhesus monkeysやmarmosets にも感受性があるが、チンパンジーには感受性がなかった。ヒトでの感染の報告は限定的で、ウイルスの分離ではなく、seroconversion血清抗体出現による診断である。ウマでの感染もまれである。1種類の血清型頭玲弖いるが、モノクローナル抗体処理、制限エンドヌクレアーゼアッセイ、および熱・トリプシン不活化マーカーを用いた、ウイルス株の違いが確認されている。ウイルスの感染伝播は、鼻-鼻、もしくは、糞口感染による。エアロゾル化したウイルスによる、間接的な感染伝播もしばしば起こる。湿度55%の空気中で最大7時間ウイルスが生存する。イングランドのデータでは、エアロゾルとして2kmまで移動した。塩素化されていない井戸水中では7時間、酸素化された礁湖や芝生、土壌、糞便などでは2日間生存するなどのデータの� ��介。エンベロープを持ち、乾燥、日光、高熱(37℃)で不活化される。イヌなどは最終宿主であるが、感染後2-3日間生存する。ベクターとしての昆虫に関しては、調査中であるが、鳥類は感染伝播に寄与していない。臨床症状は、感染動物の年齢により、若いブタは感受性が高く、生後7日未満の子ブタでは、致死率は100%に及ぶ。通常、中枢神経症状(e.g., tremors and paddling)が見られる。...以下、症状、感染・繁殖・分離部位、ウイルス排出期間(感染2-5日後から)、治療(副腎ステロイド)、病変、顕微鏡的病理所見、診断法(血清診断も含む)、治療法(感染後のワクチン接種)、排除戦略。]
上記の出典1・出典2
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