社会福祉士ヨッサンの修行 : 疥癬日記
この報告は私が疥癬になり、いかに疥癬と戦ったか
その記録であります
施設等で働く方にとっては明日が我が身である
そう思って、これは是非報告せねばなるまいと思い
報告としてまとめました
2002年12月10日頃
その日の朝は強烈な痒みで目がさめた。
体験したことのない強烈な痒みだった。確かに私の部屋ははとてつもなく汚く
ダニがいてもおかしくない衛生状態だった。しかし、ダニに噛まれた経験がない。
友達が言うには「ダニや虫すら生きていけないぐらい汚いから大丈夫なんじゃない」
とか、「ヨッサンはきっと免疫があるんだよ」とか。
いろいろ言われて安心していたが、今回ばかりは様子が違う。問題は痒くなった
場所にあった。
金玉である!!
ちょうど蚊に噛まれたような直径一センチぐらいの発疹が右の睾丸に出来ていたのだ。
さすがにビビッタ。何よりも発疹ができた場所と夏でもないのに噛まれたような発疹ができていた事に。
これはタダ事ではないと思ったが、社会福祉士の国家試験が二ヵ月後にせまって
いたので、ほったらかしにしていた。どうせすぐ治るだろうと思っていたが、いつまでたっても痒みが治まらず、逆に日毎に発疹の部分が膨らみはじめていた。
アカン、掻いたらアカン!!と思うのだが、痒すぎて知らないうちに掻いてしまう。
しかも、掻いたら相当気持ちいいのである。
蚊に噛まれた場合、私は掻くと皮膚が傷つくので、叩くことによって刺激を与え痒みをおさえる方法を常々とっていたが、場所が場所だけに叩けない。しょうがなく掻いてしまうのである。とくに痒みのピークは夜間で、布団にはいって体が温まると猛烈に痒くなる。
眠れないぐらい痒くなるので、寝るために掻かざるをえなかったのだ。
2002年12月19日
学校にたどり着く前に駐車場から坂を登らないといけないのだが、金玉の表皮がズキズキ痛みだした。連日の痒さに負けて掻いてしまった事でズボンがこすれて痛みだしたみたいだ。
当然歩き方がガニマタになってしまう。私はただでさえ怪しいのに、さらに怪しい人になってしまった。
これはまずい!!
人間失格になるまえに薬局に行く事を決めた。
2002年12月20日
とりあえず痒みをおさえる塗り薬を手にいれねばと思い、薬局を訪ねた。
ヨッサン「すいませーん、痒み止めください」
店員「痒み止めもいろいろありますけど、どういった症状なんです?」
へ?
症状?
まさか金玉が痒いんですなんて言えない
しかも学生なのかアルバイトなのか分からないが、若い女の子、たぶん年下だと思う。
罰ゲームやん!!
金玉が痒いとか言うのって罰ゲームしかありえへん。
ヨッサン「え、えーと、10日ほど前からですね、痒くてですね、と、とにかくすごい痒いんですよっ」
店員「できれば患部を見せていただけますか?」
うう・・・・・
私がモジモジしていた時、奥の方から店長らしいおばちゃん登場
しかも私の異変に気付き、奥の部屋へと
そのおばちゃんがなかなか話しやすい方で事情をすべて話すと
「ああ、それ疥癬やね」
へ?
カイセン?
疥癬?
もしかして・・・・
ginea豚が死ぬ理由
ワークブックの医学一般にのってる奴?
注(ワークブックとは社会福祉士受験ワークブックの事である。ちなみにワークブックでは疥癬・・・・・疥癬虫を病原体とする、皮膚寄生虫感染症である。
社会福祉士受験ワークブック2002 p242から抜粋)
まじで?
おばちゃん店長「あなた学生さん?もしかして実習とか行きました?」
ヨッサン「はい、夏にヘルパーの実習で○○○園に行ってました」
おばちゃん店長「ああ○○○園ね、あそこ夏に疥癬大発生したのよねえ」
マジか!!
頼むで○○○園!!
2002年12月21日
以下はネットで疥癬を調べた結果です
ヒゼンダニ(疥癬虫)というダニの一種が、皮膚の角質層内の寄生しておこる皮膚感染症です。古代バビロニアの時代から知られており、数千年の人類の歴史に影響を与えてきた病気です。ナポレオン時代の戦争で疥癬の流行がフランス軍の戦意を失わせたのは有名です。肖像画のナポレオンが胸に手を入れているのは、疥癬で� �いため、と言う話も有ります。
その疥癬の事を順を追ってお話してゆきましょう。
ヒゼンダニ(疥癬虫)とはどんな虫なのでしょう?
300ミクロンよりちょっと大きいくらいの肉眼ではほとんど見えないもので、ダニ類に属します。
卵は2〜3日で孵化し、3〜4日の幼虫を経て、若虫となります。この若虫から成虫に脱皮するまではおよそ5〜6日。幼虫、若虫は皮表を動き回り適当なくぼみや毛穴をみつけてそこには入り込むか、短い穴を掘って身を隠します。雄の成虫は雌を探し求めて雌よりも活発に動き回ります。交尾後、雄はまもなく死にますが、雌は角質層内にトンネルを掘り、毎日2〜3個ずつ卵を産み続け、4〜6週生き続けます。
50℃10分間の熱で死にますが、人体から離れて2週間はいきていたという観察があります。診断には、皮膚の小片をピンセットでとり、顕微鏡で、この成虫、虫卵がいるかどうかを検査します。
症状は?
感染してから、2週間から約1ヶ月の潜伏期間があって発症します。重症の疥癬から移った場合は、その潜伏期間は短くなる傾向があるようです。また、一度直って、二回目、三回目の感染では感染後1ヶ月経たずにすぐ痒くなってきます。
激しい痒みが、たいてい顔、頭をのぞく全身にみられ、夜、お布団の中で体が温まったときに痒くなるのが特徴です。
赤い小さなぽつぽつ、大きなしこり、又、がさがさが体、腕、脚などに見られるほか、指の股、手のヒラ、足のうらなどの水ぶくれ、よく手首などに見られる、疥癬トンネルと呼ばれる3〜6ミリくらいの細長い皮疹などが特徴的です。男性では、陰嚢に赤褐色のしこりがよく見られます。
うぎゃああああああああああ!!
特に
卵は2〜3日で孵化し、3〜4日の幼虫を経て、若虫となります。この若虫から成虫に脱皮するまではおよそ5〜6日。幼虫、若虫は皮表を動き回り適当なくぼみや毛穴をみつけてそこには入り込むか、短い穴を掘って身を隠します。雄の成虫は雌を探し求めて雌よりも活発に動き回ります。交尾後、雄はまもなく死にますが、雌は角質層内にトンネルを掘り、毎日2〜3個ずつ卵を産み続け、4〜6週生� ��続けます
というところが
ぎゃあああああああああああああ!!である
contantのこそ泥は彼が重量を失うことになる
さすがの俺もマイッタ
全身の毛穴が開いてゾクゾク寒気を感じた
トンネルとか意味がわからん
なんなん?
卵産みつけるとか、孵化とかへこむわ
だって俺の皮膚内でかってに交尾して出産してトンネル掘ってとか・・・
明日病院行こ・・・
はたして疥癬なのか!!みんなにうつるのか!!
2002年12月22日
まだ疥癬と決まった訳ではないので
とりあえず皮膚科の病院を紹介してもらうために地理に詳しい
親友のT君に病院につれてってもらう事にした
T君も「そんな疥癬なんてめったにならんよ。若いんだし」
そう!!まだ俺は若い。
まさか疥癬なんて。ありえへん
超前向きなのでさっそく立ち直った
朝一で病院に乗り込んだのはいいが提出した医療保険証が期限切れ
高額な医療費を覚悟で受診
待合室を見渡すとほとんど高齢者
やっぱり皮膚系の病気は高齢者に多い
訝しげに若者二人を見る高齢者
妙に目立ってしまった
看護婦「次の方どうぞ」
ヨッサン「はい」
受診室に入ると森本レオ似の医者が!!
妙に話しやすかったのを覚えている
さっそく事情を説明し、疥癬の疑いを聞いてみた
医者「では患部を見せていただけますか」
きた!!
やっぱり見せなあかんのか
人に金玉見せるのは抵抗があるね
まあ相手は医者やし、向こうも俺の金玉なんかきっと見たくないよなあ
それに森本レオ似やし
どうぞ!!
医者がいろいろな角度から見た後
医者「ちょっと患部の肉片いただけますか?」
無理!!
絶対無理!!
どうやら見ただけでは疥癬と判断できないらしい
顕微鏡で患部を見る事によって疥癬の元になるビゼンダニやその死骸
卵を直接発見するしかないらしい
かといって金玉の肉片はさすがに痛い
医者「他に疥癬の後はないですか?」
ふくらはぎに疥癬らしい痒い発疹があったので
ふくらはぎからサンプルをとることにした
かんたんにピンセットでえぐられました(笑)
しかしそこには、もう疥癬はいないらしく移動した後だった
ヨッサン「結局僕は疥癬なんですか?」
医者「まあ睾丸にできてる時点で100%疥癬でしょう」
うわ〜ん!!
確かに疥癬になる条件はすべてそろっていた・・・・・
もしかしたらに賭けていたが・・・
でも100%やったら肉片とるなよな!!
へコんでいる場合ではない
もう一つ聞いておくことがある
ヨッサン「疥癬って人にうつるんですか?」
医者「うん」
最も恐れていた事だった
てことは夏から俺んちに来た奴はみんな疥癬の疑いが・・・・
殺される・・・・
何人の人が俺の家を訪問した事か・・・・
ヨッサン「僕の家に来た人はみんなうつるんですか?」
医者「大丈夫だよ。めったにうつらないから」
どうやら人間の体をはなれるとすぐに死んでしまうらしい
寒さにも弱く熱さにも弱い
つまり毎日お風呂に入って、毎日着替えて、部屋がきれいな人は
うつらない!!
若い人は特にうつらないらしい
よかった!!
どのように私は3〜5週間子猫の世話をしない
でもこれを読んですごく気を悪くした人がいたらすみません。
俺の家に来た事がある人や疥癬の時期にニアミスしてる人は
本当にびっくりしたと思います。ごめんなさい
うつる危険が少ない事がわかったが
医者が極めつけの一言を・・・・
医者「裸で相撲をとらない限り大丈夫ですよ」ニヤリ
はっはっは
裸で相撲をとる事なんてなかなか無い
まして今は12月。こんな寒い中好んで裸になる訳が・・・・・
ん?
こ・・この医者
遠まわしにエッチするとうつると言いたいのか!?
ていうか言った後の医者のニヤリから推測するとそれっぽい
たしかに医者の話を聞いた後に考えてみると、○○○園でヘルパーの実習の際
入浴介助の時、着脱で利用者とガップリよつの体勢!!
見事に相撲をとっていた!!
しかも夏の入浴介助。お互い裸同然である
うおおおおおおお!!
医者の話ではエッチすると疥癬になる確率はかなり高く
もともと昔は性病とされていたらしい
ヨッサン「エッチするとうつるんですか?」
医者「いやだから、うつるって!!」」
もう遅いわ!!
はたして疥癬は治るのか
それとも・・・
2002年12月23日
とりあえず彼女に連絡しなければならない
疥癬がうつっている可能性があるという事を
さっそく電話をした
事情を全部話すと
ちょっとキレ気味
というか半分あきれていたのかも・・・
病院で薬をもらってきた事を知らせ
その薬を手渡す事に
薬の説明
まずオイラックスという塗り薬だが、元々疥癬のために作られた
痒み止めでもあり、疥癬を殺す薬でもあるのだ
疥癬といえばオイラックス!!
そしてムトーハップといってくさい硫黄のにおいのする
入浴剤なのだが、それを風呂にいれて毎日入ると殺菌の効果があるらしい
硫黄のにおいがとにかくくさい!!がちょっと温泉気分
でも風呂から出ても体がくさいし部屋もくさくなる・・
殺菌するならムトーハップ!!
そのうちのムトーハップを彼女に渡し
硫黄風呂に入ってもらう事にした
ちょっと早いクリスマスプレゼントが
まさかムトーハップとは・・・
正直情けない
くそー
こうなったら意地でも国試で疥癬の問題を出してもらわんと
疥癬の知識は多分
受験生中トップクラス!!
2002年12月24日
ちょうど二日前ぐらいから
卒業生のスギヤン氏が事情で泊まりにきていた・・・
もちろん疥癬の話をしたら
すごく怒った
冷静に怒られた
ごめんねスギヤン
もちろんスギヤンにもムトーハップの風呂に入ってもらう
親友のT氏が
T「この部屋を殺菌しよう!!」
ヨッサン「え!?」
ヨッサン「どうせもうすぐ引越しするし・・・」
T「いつまでたっても治らん!!24歳やろ!!」
と22歳のT氏に言われしぶしぶ
疥癬一掃作戦決行
しかし俺の家に来た事がある人は分かるだろうがゴミ屋敷化している
おそらく日本でもトップクラス!!
意味もなく2リットルのペットボトルが散乱している
ピーク時は22本もあった!!
猫水の結界である
俺がもし猫だったら絶命している!!
さらにほとんどの知り合いがタバコを吸うのでヤニで壁が黄色い
灰もそこらへんに散乱している始末
これでもまだマシなほうである
昔はキュウリをずっと放置していたら花がさいてスイカになってたり・・・
じゃがいもが生長して新しいじゃがいもができそうだったり・・・
牛乳がバターになってたり・・・
ポカリスエットを放置していたらマリモができてたり・・・
時々目が痛くなったり・・・
潔癖症の人は俺の部屋で暮らすとならば絶命するであろう
とにかくまず物が多いので片っ端からゴミを捨てまくった
どこへ登るのかわからないハシゴや
CDの聞けないCDデッキ
プロレスラーのリストバンド等
意味不明なものばかり出てきた
それから下に敷いてあるカーペットを捨てた
するとフローリングの木目にカビがビッシリ
それもキレイ好きのT氏の指導の元
ダメ出しされながらきれいにぞうきんで拭き取った
T氏には本当に世話になった
ありがとよT氏!!
全部でゴミ袋、20袋!!はあった・・・
もちろん分別はしていない
というわけで、自分のアパートに捨てるとアシがつくので
側面が事故でべコベコになっている商用車のマイカーで
ちょっと離れたアパートのゴミステーションに不法投棄しに行く事になった
時は誰もがウキウキするクリスマスイブ
白いゴミ袋を詰めた車にT氏と俺
まさにトナカイに乗ったサンタクロース!!
アパートにつくとさっそくプレゼントをどっさり配った
ジングルベール♪ジングルベール♪
社会福祉士国家試験までちょうど一ヶ月・・・
何やってんねんやろ
その後すべての服と布団を最新のコインランドリーで洗濯
そして高温乾燥機で殺菌!!滅菌!!
服が乾くまで三人で外でタバコを吸っている時に
ふと考えた・・・
T氏とスギヤン氏と三人深夜のコインランドリー・・・
もちろん人っ子一人としていない
今ごろみんなホームパーティーで七面鳥を食べている最中なんだ・・・
時計はそろそろ日付を変えようとしていた・・・
今でも思うが最低なクリスマス・・・
男三人と一匹(何千匹か・・・)で過ごした
一生忘れないクリスマスとなった
追伸・・・
一時は全身にまで疥癬が広がったが、疥癬の後遺症は残るものの完治・・・
国試で疥癬の問題は出ませんでした(泣)
完
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